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「卓球ニッポン、ここに在り」第38回全国ろうあ者卓球選手権大会

2015.12.28

2015年12月26日(土)に、埼玉県越谷市の越谷市総合体育館で「第38回全国ろうあ者卓球選手権大会」が開催された。全国ろうあ者卓球選手権はろうあ者卓球の最高峰であり、全国から21名の精鋭達が集結した。
なお本大会の優勝者は来年7月にトルコで行われる第3回世界ろう者卓球選手権大会の日本代表に選出されるため、会場は熱気に包まれた。

そんな会場の中、男子選手の中でひときわキレの良さを見せていたのが伊藤優希選手。まだ現役の高校生である。聞けば高校生ながら先に行われた全国ろうあ者体育大会の優勝者とのこと。この大会で高校生が優勝すること事体が前代未聞と伺った。その活躍ぶりはメディアにも注目され先日のNHKのハートネットTVでは伊藤選手を追ったドキュメンタリー番組が放送された(2015年12月19日放送)。今後の活躍が期待される選手である。

女子選手の中で一際異彩を放っていたのは佐藤理穂選手。周囲の中で誰よりも高くボールを上げて放たれるサーブは圧巻であった。それもそのはず、佐藤選手は2012年に開催された世界ろう者卓球選手権大会で日本代表として参加し個人銀メダル、団体金メダルの結果を残している。本大会も総当たりリーグ戦方式で実施をされたのだが、全勝で優勝を飾った。
また会場では思いもよらない出会いもあった。それは日本が世界に誇るデフアスリート幾島政幸氏との出会いである。幾島氏はデフリンピックに過去6回出場し金メダル18個、銀メダル3個という成績を残し、「20世紀における最も優れたろうスポーツ選手」10名の1人に選出をされている。

そんな幾島氏に今の世代について話を伺うことができた。
「若い選手が育ってきており、全体的にレベルが高い。
ひとつだけ課題をあげるとすればまだ体力が足りない。今後はフィジカル面も高めていく必要があるが、まだ競技活動に専念できる環境が整っている選手は少ないのが現状。我々としてはこのような環境を整えていく必要がある」

アスリートの環境整備は政府としても今後取り組むべき事項として掲げており、世界を勝ち抜いてきた幾島氏としては肌で感じてきた課題であろう。

最後に今の若手の選手に一言と質問したら以下の言葉をいただいた。

「とにかく卓球を大好きになってほしい」

どんな言葉にも勝る言葉である。この言葉を胸に秘めた選手たちの今後の活躍が楽しみである。
〇大会結果
シングルス
男子
1位 望月 翔太 (神奈川)
2位 伊藤 優希 (広島)
3位 灘光 晋太郎 (東京)
4位 井藤 博和 (千葉)
5位 大室 達也 (愛知)
6位 亀澤 史憲 (東京)
7位 宮下 直樹 (神奈川)
8位 有馬 歓生 (神奈川)

女子
1位 佐藤 理穂 (東京)
2位 川﨑 瑞恵 (東京)
3位 牧山 洋子 (群馬)
4位 長田  恵 (大分)
5位 髙岡 里吏 (東京)
6位 土倉 仁菜 (石川)
7位 竹元 桃花 (大阪)
8位 林崎 晴美 (千葉)