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「講道館の理念の中に生きる」視覚障がい者柔道 正木健人さん

2016.02.26

2012年ロンドンパラリンピック柔道100kg超級金メダリスト正木健人。彼の好きな言葉は「克己」だという。この言葉が放つオーラは、私たち日本人には特に突き刺さってくるものがある。

士道が世の中のディシプリンであった時代、その教えの本質は日本人の価値観の根底を支え、科学技術では欧米列強に遅れをとったものの、人間性という人が人たる所以の部分において大きな役割を果たし、現代においてもその流れは続いている。
創始者はこの武道を通じた人間形成と社会貢献を理念に、勝利至上主義ではなく、精神鍛練、教育をその目的とした。

21世紀の柔道は、チャンピオンスポーツとして広く世界に普及しているが、勝ち負けの前に、人類が拘らなければならない至宝ともいえる価値観がこの柔道にはある。
勝つのではなく克つこと。そしてそれは他者にではなく「己」にであるという崇高な考えを、正木選手は追い求めている。
■正木健人さんプロフィール
兵庫県出身。
子どもの頃から大きな体格を持っていたことにより中学生時代に柔道を開始。
生まれつき弱視ではあったが、徐々に頭角を現し高校時代にはインターハイでも活躍。
大学進学後は弱視が進行。視覚障がい者柔道へと活躍の場を移し、2012年にはロンドンパラリンピックに出場し見事金メダルを獲得した。
更なる高みを目指して日々練習に励む生粋の柔道家。