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「タッパーとは??」 第30回関東身体障がい者水泳選手権大会

2016.06.17

2016年6月11日(土)、神奈川県横浜市の「横浜国際プール(サブプール)」にて「第30回関東身体障がい者水泳選手権大会」が開催された。
最寄りの北山田駅を下車し、記者は一路横浜国際プールを目指したが、わずか数分の道のりであるにも関わらず、滝のように汗が噴き出した。
それもそのはず、本日の横浜は、天候は晴れ、気温も27度と高く、絶好の水泳日和である。
開会式を控えた横浜国際プールのサブアリーナは、外の気温も凌駕するようなアスリート達の熱気が満ち溢れていた。当大会には、北は北海道から南は愛知県まで男性136名、女性78名、合計214名ものアスリートがエントリーをしている。そのうち肢体不自由者が161名、視覚障がい者が28名、聴覚障がい者が25名である。
開会式が終わると、小気味よい音楽とともに400m自由形から競技がスタートした。サブプールは25mであるため、400mの場合は、8往復することになる。同時に最大8名までが一緒に泳ぐが、障がいの状況によって細かくクラス分けがされている。

例えば障がいの状況によって、「水中からスタートする選手」、「身体を浮かせた状態で壁に付けた足を支持してもらいスタートする選手」、「聴覚障がいのためスタートを知らせるライトまたはシグナルが必要な選手」「タッパーが必要な選手」、「黒塗りのゴーグルが必要な選手」など、少し挙げただけでもルールエクセプションがこれだけ細かく定められている。
その中でも、今回お伝えしたいのは、「タッパー」である。記者も当大会で初めて存在を知ったのだが、25mのレーンを何度も往復する際に、視覚に障がいを持っている選手は、プールサイドの壁の場所が分かりにくく、うまくターンすることが難しい。場合によっては、壁にぶつかってしまう恐れもある。そのような危険を回避するために、各レーンには、タッパーと呼ばれる道具を持った介護者が待機をしている。
タッパーとは、細長い棒の先に弾力性があるボールのようなものが付いたものであり、選手がプールサイドに近づいてきた際に、タッパーの先のボール部分を、泳いでいる選手の頭に優しく当てて、「もうすぐ壁があるよ」と教えてあげるのだ。なるほど、これであれば視覚に障がいを持った選手も怖がらずに全力で泳ぐことができる。
障がいの状況を少しだけ補完することで、同じ土俵で勝負することができる。
こんな工夫がみられるのも、チャレンジド・スポーツの魅力のひとつかもしれない。

関東身体障がい者水泳連盟