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「視覚障がい者ゴルフからゴルフを学ぶ」第20回全国視覚障害者ゴルフ競技会

2016.06.27

今回は当サイトで初めて視覚障がい者ゴルフの記事を書いてみる。
先日福島県にある五浦庭園カントリークラブにて、日本視覚障害ゴルファーズ協会が主催する第20回全国視覚障害者ゴルフ競技会が開催された。

視覚障がい者ゴルフとは、全盲の部と弱視の部に分かれているが、ラウンドは混合で行われ、ルールに違いはない。

プロゴルフなどでもプレイヤーとキャディがペアで挑むのだが、この競技もパートナーとペアで挑む。通常のキャディはクラブ選択や距離、コースレイアウト、グリーン上のライン等のアドバイスを行うのだが、視覚障がい者ゴルフの場合、パートナーはキャディの範囲を超えて、プレイヤーの「目」の役割を果たす。
打つべき方向、距離を伝えることはもちろん、クラブをボールに合わせ、アドレス(立ち位置)を固めるところまで行うのだ。
パートナーはボランティアで運営されているが、長年パートナーを組んでいる組もあれば夫婦で組んでいる組もある。また初めてのパートナーと回るケースもある。
今回は長年パートナーを組んでいる、壁谷晴子さん(全盲)とパートナー高橋裕子さんペアと、夫婦で参加されていた楠原宏和さん(弱視)とパートナーであり奥様でもある楠原征子さんペアに、18ホール密着させていただいた。
壁谷さんは視覚障がい者ゴルフの草分け的な存在であり、パートナー高橋さんとは20年共にゴルフをしてきている。
楠原さんは晴眼時代にゴルフの経験はなく、弱視になってからゴルフを始めている。
記者もゴルフをたしなむのだが、ゴルファーの目線で驚かされたのは、空振りがほぼないことであった。見えていないボールにしっかりミートしているのだ。
話を聞いていくとゴルファーとして勉強になる話を聞くことができた。
まず1つ目はヘッドアップをしないということ。晴眼のゴルファーの場合、ボールが見えるが故にボールの行き先を気にして頭が上がってしまう。そのため、ボールに当たる際、クラブの高さが変わり、ボールの上を打つことでボールが上がらないことがよくある。
しかし彼らはボールを追うことをはじめから考えていないし概念もないということなのだ。
そして2つ目は力が入っていないこと。
これも晴眼ゴルファーの場合、コースが長かったり、広かったり、狭かったりと様々なプレッシャーでつい力んでしまうことが常なのだが、コースのプレッシャーがないため力まずに同じスイングを繰り返すことができている。
その上でパートナーに絶対の信頼を置き、パートナーの指示通りにボールを打つことが勝利へのカギとなる。

今回、一つの視覚障がい者ゴルフという競技を取材しに伺ったわけだが、自身のゴルフに大きな気づきを与えていただけた。
このような学びがあることが、チャレンジド・スポーツの醍醐味と言える。

現在、日本視覚障害ゴルファーズ協会には約100名程度のプレイヤーと40名程度のパートナーが所属している。
協会の課題として、2点伺うことができた。

課題① プレイヤーの高齢化
 協会の歴史が長いこともあり、プレイヤーが高齢化してきているようだ。
 若い方々もどんどん参加できるとのことなので、興味のあるかたは是非参加してみてほしい。
課題② パートナー不足
 上記の人数からもわかるようにパートナーが足りていない。
 ゴルフを知っている方であれば数時間講習を受けることでパートナーになることができる。また知らない方であってもゴルフを学べばできるとのこと。
 この競技を通じてゴルフを知ることもできるかもしれない。

ゴルフが好きな方はぜひ一度足を運んでみてほしい。
自身のゴルフにも参考になるプレイがきっとあるだろう。

日本視覚障害ゴルファーズ協会
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