第30回全国ろうあ者テニス選手権大会2日目

2016.09.14

2016年8月13日(土)~14日(日)、広島県広島市の広域公園テニスコートにて第30回全国ろうあ者テニス選手権大会が開催された。
前回1日目の模様をお伝えしたが、今回は2日目14日(日)の大会の模様をお伝えする。(1日目の模様はコチラ)

大会2日目は前日の結果に基づき、男女共に順位が確定するトーナメント方式で行われた。
今回注目した選手は、現役男子高校生の今井悠翔選手(滋賀県)。大会1日目は2戦ともにストレート勝ち。ミスの少ないサービスと力強いフォアハンドストロークで危なげなく決勝戦へと駒を進めた。
大会2日目、決勝戦の相手はデフリンピック4回出場経験を持つ松下哲也選手(大阪府)。
経験では遥かに勝る相手にどう対抗するのか。今井選手に話を聞いた。
「(松下選手の前日のプレーを見て)サービスにミスがないので、ゲームのキープ合戦になりそう。少ないチャンスでブレークをしたい。」
その狙い通り、1ゲーム目はブレークを奪取。ゲームカウント4-3と重要なゲームでは、松下選手の強烈なサービスで押されながらも、相手のミスを誘う緩急を使い分けたショットで再びブレーク。6-4で第1セットをもぎ取る。

しかし今井選手が主導権を握ったまま、勝てる相手ではなかった。
第2セットでは松下選手のサービスが復調。試合前の今井選手の予想通り、お互いにブレークを許さないキープ合戦となった。長いラリーが続く苦しい展開の中でも、足を使い粘り強くチャンスを待った。ゲームカウント4-4、今井選手がペースを掴んできた所で突然のスコール。試合を一時中断し、インドアのテニスコートへ移動して試合を再開した。
今井選手は、「第2セットは、自分のミスが続いても頭をリセットしたり、悪いイメージを残さないようにして集中力は切らさずにいた。でも雨で中断した時は、スタミナが無くなったと思ったけど、最後だから力を振り絞った。」と振り返った。
両者ともに体力が限界に近づく中、最後まで熱戦を繰り広げ、ゲームカウント6-4で今井選手が本大会初優勝を飾った。

今井選手は決勝戦の感想と、今後の目標について、「納得のいかない内容も少しあったが、大事なポイントは取れていたので結果オーライだと思う。来年の連覇を目指し、日々の練習に励んで、健聴者の試合でもいい成績を残したい。」と語った。

子どものころから、気持ちを切り替えることを何度も教わってきたという今井選手。
セルフコントロールは、苦しい戦況を幾多も乗り越えてきたトップアスリートの重要な要素だ。それを実践する今井選手は『心技体』を磨くトップアスリートの原石と言える。
特に若い世代は『心技体』を耳にすることが少なくなったかもしれないが、技だけではなくセルフコントロールも意識しながらトップアスリートを目指してほしい。

■大会結果
男子優勝 今井悠翔選手
女子優勝 菰方里菜選手

■日本ろう者テニス協会
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