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「全国のボッチャ選手に伝えたい日本代表コーチの教え」 2016育成キャンプin鳥取&鳥取県あいサポート・スポーツフェスティバル2016

2017.01.23

 2016年11月12日(土)、鳥取県にある鳥取県立鳥取産業体育館にて鳥取県あいサポート・スポーツフェスティバルが開催された。
障がいの有無にかかわらず、誰もが一緒になって様々なスポーツを楽しむことを目的とした当イベント。交流種目も、卓球、フライングディスク、スポーツチャンバラ、パットゲームスター、卓球バレー、ふうせんバレーボール、ボッチャ、ボウリング、スカットボール、羽根っこゲーム、カローリング、輪投げ、バッゴー、ラダーゲッターなど、多種多様だ。
子供からお年寄りまで幅広い年齢層が、色々なスポーツを楽しんだ。
この交流種目は、どれもボーダーフリー。障がいの有無に関係なく、みんなが楽しめる点がポイントである。
どれもチャレンジド・スポーツとしておなじみの種目ではあるが、記者が初めて目にするスポーツがあった。パットゲームスターである。
パッドゲームスターは、鳥取県障がい者スポーツ協会が考案したスポーツで、パークゴルフなどのクラブやボールを使って、屋内の狭いスペースでも楽しめる室内型パターのイメージだ。ゴルフ初心者でも気軽に楽しめる点が魅力だ。地方から、このようにみんなが楽しむことができるスポーツが生まれるのも、チャレンジド・スポーツの魅力のひとつである。
また、同会場では、一般社団法人日本ボッチャ協会主催で、「2016育成キャンプ in 鳥取」が開催された。事前のアナウンス期間が短く、残念ながら当日の参加者は3名であったが、リオデジャネイロパラリンピックにて銀メダルに導いた日本代表ヘッドコーチである村上光輝コーチより、直接技術やコーチングについてレクチャーを行った。

ここからは、全国のボッチャ選手には、是非とも熟読してほしい。
記者も、当日は一緒に指導を受けたが、この意識と持って取り組めばボッチャがもっと楽しく、うまくなれると思った。
■村上コーチの教え

① 12メートルの投球の重要性
 今回のリオパラリンピックでも如実に傾向が表れた通り、
 世界の強豪国は、日本相手の場合、敢えてジャックボールを遠くに投げてくる傾向があった。この傾向はますます加速するであろう。
 今後、国際大会で活躍するためには、最低10メートル以上は投げることができないと、国際大会では活躍することが難しい。
 そのためにも、日々のトレーニングの中で、12メートルを正確に投げることを意識し、トレーニングを積むことが重要である。

② ボッチャの基本技術
 ボッチャは、当たり前のことを当たり前にできる「表現力」と「再現性」が重要である。
 そのためにも、日々の練習で以下を意識すると良い。
 ・車いすの角度は、投げる度に微修正する必要がある。
 ・疲れてくると姿勢が崩れてくる。その結果、視点が崩れてしまう。
  姿勢を維持することが、狙い通り投げるために重要なファクターである。
 ・脳性まひの方は、視力に障がいがある場合がある。
  選手およびコーチは、どのように見えているのかを知ることが重要である。
  自分の見え方を知ることで、狙った方向に正確に投げることができるようになる。
  そのためにもコーチは、選手に一方的に指導するのではなく、選手から情報を引き出すことが重要である。
 ・普段から高度なプレーを意識的に練習してほしい。
  そうすることで、技術面でできることが格段に増える。

③ ボッチャの基本戦術
 ボッチャは、相手に先に全てのボールを投げさせた方が勝ちに繋がる。
 自分が3球しか投げていないのに、相手に6球投げさせてしまえば勝利に大きく繋がる。
 その意味では、毎回異なる状況下において、1発で狙い通りの投球をする必要がある。
 そのために練習時には、ジャックボール付近の状況を都度変えて、毎回1回きりのチャレンジをすることが重要である。
 よく、同じ状況設定で、何度も投球練習するシーンが見られるが、自分が何球目で成功するかを知るかが大事である。
 例えば3球目で成功した場合、2球を無駄にしているということである。国際大会で勝つためには、1球目で成功させなければいけない。
 そういう意味では、都度状況設定を変えた方がより本番を意識した練習になる。

④ ボールの性質を把握する
 ボッチャのボールは、摩擦の状況によってよく転がったり、止まったりする。
 そのため、ボールやコートの状況をしっかりと理解した上で、戦略を考えることが重要である。
 ボッチャのトップアスリートは、野球で使用するグローブのオイルを使用し、日々のメンテナンスを行っている。

⑤ コーチングについて
 前提として、選手が自ら考えないと伸びない。
 コーチがいくら指示をしても、選手自身が出した答えが正解である。
 そういう意味では、選手は自分の状況を素直にコーチに伝えること、コーチは、その意見をもとにサポートすることが重要である。
 このコーチングが全国に広がれば、ボッチャのすそ野はもっと拡大すると思う。

是非とも全国でボッチャに取り組む選手、コーチの方々にも上記を取り組んでもらいたい。
そうすることで、2020年の東京パラリンピックは、オールジャパンで戦えるはずだ。

一般社団法人日本ボッチャ協会
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