『2017ボッチャ東京カップ』〜本格インクルーシブボッチャ大会〜

2017.03.27

昨年開催されたリオデジャネイロパラリンピックで、日本が銀メダルを獲得し、一躍脚光を浴びるようになったボッチャ。2チーム、もしくは2人で対戦する。ジャックボールと呼ばれる白いボールに、自らのボールをより近付けた方の勝利である。リオパラリンピック以前は、日本での知名度は低く、ここ数年で考え出された新しいスポーツとお考えの方もいるかもしれない。しかし、その起源は古代ギリシャとも言われる。長い歴史を持つスポーツだ。パラリンピックでは1988年のソウル大会から正式種目となった。

そして2017年、日本ボッチャ会にまた新たな歴史が刻まれようとしていた。
『2017ボッチャ東京カップ』

東京都の赤羽体育館で3月18日に開催された大会は、日本選手権のように、選考会を兼ねたものではない。障がいのない人も参加するが、ボッチャの体験会でもない。インクルーシブボッチャ大会だ。「インクルーシブ」とは、直訳すると「包括的な」という意味である。スポーツにおいての「インクルーシブ」は、障がいや国籍等、老若男女に関わらず、誰もが参加できるということを表す。

これまでのボッチャは、障がいのある人が選手、障がいのない人がそれを支えるということが多かった。本大会は、障がいのない人も選手として出場し、真剣勝負を行う。

出場選手は、日本代表「火の玉JAPAN」のメンバーを始め、他種目のパラリンピアン、オリンピアン、タレント、都庁職員、会社員、学生等と多岐に渡り、まさにインクルシーブな大会となった。
本大会の立ち上げに尽力した、日本ボッチャ協会代表理事の奥田邦晴教授(大阪府立大学)は、取材に対し、ボッチャの魅力を「健常者と障害者が一緒に行うことができる。一緒にボッチャをすることで相手をリスペクトしあうことができる。」と語った。今後のボッチャの展望については「みんながボッチャを知ることで、選手が下手な試合をしたらブーイングを受ける。いい試合をしたら盛り上がる。それが選手の強化につながるし、発掘にもつながっていく。」と語った。

試合の間には、火の玉JAPANによる、ボッチャのデモンストレーションが行われた。注目すべきは、それぞれの選手のボールコントロールの正確さだ。ボールを宣言した通りに投げる。

ともに火の玉JAPANメンバーの高橋和樹(タカハシカズキ)選手と、杉村英孝(スギムラヒデタカ)選手のデモ試合。
杉村選手が投げたボールはジャックボールの手前、20cmほど離れた位置で止まった。ミスショットに見えたが、実はボールが相手選手のコースを防ぐ、ブロックになっていた。

ジャックボールに自分のボールをより近づける。単純なルールだが、持ち球の数や、ジャックボールと相手の位置から、戦術を見極めなければならない。それと同時に戦術を実行する技術も求められる。ボッチャの奥深さが、記者にも垣間見えた瞬間であった。
(text & photo by はちみつ)