TOP現地レポート記事一覧 > 現地レポート詳細

「Warm Blue 2017 障がい者サッカー体験レポート」

2017.04.13

4月1日はエイプリルフール
日本でもお馴染みのウソをついてもよいとされる日。

 では、4月2日は何の日かご存知だろうか。

 「世界自閉症啓発デー」である。

 ニューヨークの自閉症支援団体「Autism Speaks」が2010年にはじめて以来、自閉症を理解してもらうための日として、日本でも徐々に浸透しつつある。

 SNSではハッシュタグ「#WB2017」や「#MAZEKOZE」で検索をすると、多くの青い写真がでてくる。青色は「癒し」や「希望」をあらわすとして、世界自閉症啓発デーのシンボルカラーとして用いられている。
 そんな自閉症啓発デーのキャンペーンの一環として、渋谷区の神南小学校では、障がい者サッカー体験や、キックターゲットなどが楽しめるコーナーが設けられていた。このイベントは一般社団法人 日本障がい者サッカー連盟(JIFF)主催で行われ、会場では、切断障がいのある人も行えるアンプティサッカーと、視覚障がいのある人も行えるブラインドサッカーの体験会が催されていた。

 アンプティサッカーでは、フィールドプレイヤーはクラッチと呼ばれる杖と、片方の脚でプレイする。

 記者も体験会に参加したが、まず移動が難しい…。ゆっくり歩くのには問題ないのだが、早歩き程のスピードになると途端につまずいてしまう。脚が空中に浮く一瞬に体重移動が上手くできず、肘が膝カックンをされたようにガクッとおれる。縦横無尽にコートを走り回る選手の凄さを改めて感じた。

 ひとまず歩行に慣れてくると、パスの練習にうつる。こちらも最初は上手くいくのだが、すぐに腕が疲れてしまう。体重のかけ方がうまくできず、腕力に頼ってしまっているからだろう。シュートの練習を行う頃には、まだ4月になったばかりだというのに、シャツが汗でびっしょりになっていた。
 後半のミニゲームでは、アンプティサッカーチーム「AFC BumbleBee千葉」の選手も混ざり、5分間に両チーム合わせて5点も得点する白熱したゲームとなった。慣れないクラッチ操作で思うようには動けないが、それでもボールを思い通りに蹴れた時の嬉しさは余りあるものがあった。
 次に体験したブラインドサッカーは、その名の通り、目隠しをして行うサッカーだ。

 いきなり目隠しをしてボールを蹴るのかと思いきや、体操から始まった。知らない人同士でペアになり、片方が目隠しをし、見えている人がお手本の体操を見て、ペアの人にその動きを声で伝えるというものだ。
 これはアイスブレーキングという緊張をほぐす手法だ。ブラインドサッカーは近年、企業の研修や、学校での授業としても取り扱われており、その指導法が明確化されている。

 そして、慣れてきた頃には目隠しをしてパスやシュートを行う。視覚情報のない中、自分のパスが上手くいったかは周りの声を聞かなければわからない。知らず知らずのうちに、初めてあった者同士声をかけ合うことができるのが大きな魅力だ。

 アンプティサッカーで、左脚を使う人にパスを出すとき、その人の左側にパスを出すこと大切になる。その方が次の動きが早くなるからだ。
 ブラインドサッカーでは、周りの音が重要になる。音は仲間がどこにいるのか、自分の動きが正しいのかを教えてくれる。

 仲間のプレイを活かすのは、自分の動きや声かけにかかっていると言っても過言ではない。


 障がい者サッカーを通してのコミュニケーション。
感じたことは、何かを減らすことで何かを得ることができる。そんな魅力だ。

 来年も自閉症の啓発とともに、宗教、性、障がい、色んな多様性について考えることができる、そんな日になったらいいな。しみじみと感じた2017年4月2日であった。
(text & photo by はちみつ)