「勇気と希望を与える」車いすテニスinブルボンビーンズドーム

2017.04.24

2017年4月20日〜4月23日にかけて「DUNLOP KOBE OPEN 2017」が、兵庫県三木防災公園内ブルボンビーンズドームで行われた。今大会では女子シングルス8連覇中の上地結衣選手や、今大会が怪我からの復帰戦となる国枝慎吾選手など、リオパラリンピック出場経験のあるトップアスリートが出場した。そして、会場となったブルボンビーンズドームは国際的規模の大会から市民大会まで幅広く利用され、テニスを通してスポーツ振興に貢献する国内最大級の屋内テニス場である。

記者が取材を行った日(4月22日)は準決勝が多く行われていた。午前中に行われた、上地結衣選手vs堂森佳南子選手の試合では、上地選手が圧巻の強さを見せ、2セット先取をして決勝に進んだ。
また、午後から行われた国枝慎吾選手vs鈴木康平選手の試合では、相手に1ゲームも許すことなく、国枝選手が決勝に進んだ。時折右ひじの怪我の状態を気にしながらも、すさまじいスピードのサーブを決めるごとに確かな感覚を感じたようで、自らうなずく様子もうかがえた。試合を終えた国枝選手は戦った鈴木選手と笑顔をかわし、すがすがしい表情でコートを後にして決勝に備えた。
多くの試合が行われた当日、車いすテニス初取材だった記者が最も衝撃を受けた試合は、午後から行われた高室冴綺選手、須田恵美選手vs ファン ミョンヒ選手(韓国) 、パク ジュヨン選手(韓国)のダブルス準決勝の試合であった。試合は1ゲーム目から両者とも譲らず、何度もデュースにもつれこんだ。高室選手はスピードのあるサーブで相手の連係を崩したり、ラインぎりぎりを狙った強烈なスマッシュで多くのポイントを勝ち取っていった。また、須田選手は相手からの勢いのあるボールをボレーで返してポイントをとり、ラリー中の返すのが難しいボールでも必ず打ち返すような、抜群の安定感を見せていた。実は高室選手、須田選手ペアは、今大会で初めてペアを組んだということもあり、試合開始後はなかなかお互いのタイミングがあわない様子もみられた。車いすの接触や二人の間を狙われたボールに苦戦していたが、ゲームを重ねるにつれワンプレーごとに交わされる2人のハイタッチの数が増え、それぞれのパフォーマンスがマッチしていくように見えた。
そしてその結果、みごと決勝進出を果たしたのである。
途中逆転された場面もあったが劇的な勝利をおさめた2人の表情は晴れやかで、お互いのプレーをたたえあいながら、翌日の決勝への大きな一歩を踏みしめていたようにうかがえた。
決勝戦に出場できるかできないかを決定する、選手同士の最も繊細なやりとりがうかがえる準決勝。車いすのすさまじい回転とブレーキの音を聞きながら観戦していた人々は、何度も息をのみ、独特の興奮を味わったことだろう。
(text & photo by Rikarun)