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次世代のパラリンピックスイマーを育てるのは誰!? 平成29年度視覚障害者への水泳指導研修会~ステップアップ編~(後編)

2017.08.07

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第2部では、実際に受講者全員が「ブラックゴーグル」を着用し、水泳を行った。ブラックゴーグルは、光が入らないように作った特製のゴーグルだ。指導者たるもの、経験してこそ指導に深みが出る(、と記者は思う)。視覚情報が無いとどれほど水の中で曲がるのか、など少しでも理解して指導を行う。
だが、「ブラインドだから指導法が違う、など特別なことはない」と寺西氏は言う。障害の特性上、模倣ができないため、タイミングの伝え方などが難しい。そのため動作を口で説明し、文字起こしすることを日ごろから考えることが指導につながると述べていた。

第3部では寺西氏の話していた「0.01秒で変わる競技人生」という言葉が記者には印象的であった。タッパーの存在もしかり。ゴール前にタッピングを行うことで、選手は壁が近づくことを察知し、少なからず手を緩める。仮に隣のライバルがほぼ同時に泳いで来たらどうするか。タッパーはいつも通り速めにタッピングを行うのか、それともぎりぎりまで攻めるのか。タッパーと選手の信頼関係、日ごろの練習がなせる0.01秒の世界もある。
現在ブラインドスイマーの練習環境は整ってきつつある。だが、これからトップを目指している人たちの使える施設は少ない。タッパーの不足、指導者の不足も深刻である。1選手につき、ゴールとターンを行うには2人のタッパーが必要だ。

また、今回研修に参加した方に話を伺うことができた。
Q.今回参加した経緯を教えてください
「中級障がい者スポーツ指導員の免許を保持しており、登録者への案内の中で本講義を見つけ参加した」
Q本研修に参加した感想をお願いします
「視覚障害者への水泳指導の研修には2年前にも参加しているが、本当に自分の中で落とし込めているか、再確認の意味も含めて今回参加した。指導者という立場だけでなく、視覚障害のある人が外に出る(移動する)ヘルパーなどのすそ野を広げることも、重要だと感じた。」
こういった研修をさらに広め、選手だけでなく、選手を支える人たちをも増やしていければと思う。
今後もチャレアスでは、選手を支える人達へも注目していきたい。