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思いを乗せて飛んでいけ!第21回全日本障害者・高齢者フライングディスク競技大会

2017.08.19

夏空を切り裂くように色とりどりのフライングディスクが宙に舞った。今年で21回目を迎えた全日本障害者・高齢者フライングディスク競技大会。8月6日、駒沢オリンピック公園で行われた。「誰もが楽しめる」。この競技最大の魅力はそこにある。年齢も障がいの有無も関係なく、全ての人が笑顔になれる、笑顔にできる。そんな魅力が詰まった大会であった。

フライングディスクは安全性の高さや幅広い層が参加できることが評価され、1981年から知的障害者スポーツの祭典スペシャルオリンピックの公式種目にも採用されている。長い間世界中で愛されてきたユニバーサルスポーツの一つと言えるだろう。競技種目は飛距離を競うディスタンス競技と、スローの精度が試されるアキュラシー競技の2種類だ。
まず午前に行われたのはディスタンス競技。年齢や立位・座位で組分けされ、その中でフライングディスクの飛距離を競う。競技者は3回試技を行い、その中で最も遠くに飛んだものを記録とするルールだ。正直、競技が始まるまではどれくらいディスクが飛ぶのか想像もできず、飛んでも20~30メートルだと思っていた。しかし競技が始まると、その想定はあっという間に覆されることになる。選手たちの手から放たれるディスクは、「スーッ」という音が聞こえてくるような美しい軌道を描き、まっすぐに飛んでいく。多くの選手が35メートルを超えるようなスローをし、中には50メートルを超えるような方もいた。それぞれのフォームで行うスロー、緩やかな追い風に乗って飛んでいくディスク、記録を聞いてあふれる笑顔。そういった光景が多々見られる会場は、温かい雰囲気に包まれていた。この競技でライバルとなるのは他者ではなく自らの記録。自分との戦い、記録を伸ばす楽しみ、そういった面で陸上競技や競泳に似ている部分があるように感じた。
午後にはアキュラシー競技が行われた。この競技は直径およそ1メートルの円(アキュラシーゴール)に向かって10回連続でディスクを投げ、ゴールを通過した数を競うものである(ゴールまでの距離は5メートルもしくは7メートルのどちらかを選択)。この競技では狙ったところに正確にディスクを飛ばす力が試される。そのため選手たちのスローフォームも、より慎重なものへと変わり、ゴールを見据える視線は鋭さを増した。明確なゴールが設定されているためゲーム性が高まるが、その分高い集中力が必要でディスタンス競技とは違う難しさが見受けられた。

今大会にはおよそ900名の選手と500名を超えるボランティアが集った。毎年これほど多くの人々が集まるのは、聴覚障害者のための手話通訳や参加者全員にメダルが贈呈されるなど、全ての人が大会を楽しめるように隅々まで配慮がなされているからだろう。これからもますますフライングディスク、そしてその魅力が多くの人に伝わっていくことを願う。(Text & Photo by moe)