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「世界No.1を決める9日間!」 ~福岡2017 IBSA テンピンボウリング世界選手権大会~

2017.09.12

2017年8月22日(火)~30日(水)に、福岡県の博多スターレーンで「福岡2017 IBSA テンピンボウリング世界選手権大会」が開催された。この大会は、IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)が主催する視覚障害者のボウリング大会で、クラス分けや開会式を挟み、26日から4日間の日程で競技が行われた。
アジアやヨーロッパなど、世界12か国、選手、スタッフ合わせて約100名が参加した。

■参加国
オーストラリア、中華台北、チェコ、フィンランド、香港、イスラエル
韓国、マレーシア、ポーランド、シンガポール、タイ、日本

選手は、障害の程度によりB1、B2、B3の3つのクラスに分けられる。B1が最も障害が重く、アイマスクやアイシェードの着用が義務づけられている。同じクラスの選手同士で競技を行うため、ブラインドサッカーやゴールボールのように完全に目を覆うアイパッチは使用していない。アイマスク(アイシェード)は選手により様々で、中には個性的なアイマスクを着用している選手もいた。
視覚障害者ボウリングの大きな特徴は、アプローチ上に設置される「ガイドレール」だ。ガイドレールの大きさは、高さ約90cm長さ約370mで、選手はガイドレールを使用することで方向を定めて投球することができる。B1、B2の選手は、ガイドレールを使って投球することが認められている。選手は、投球する手とは反対の手でガイドレールに触れながら助走し、投球を行う。ガイドレールは、投球時に動くことがないよう、前後2か所、合計4つのボウルで足元を固定する。アルミニウム製でパーツごとに分解ができるようになっており、ほとんどの国が自国で使用しているガイドレールを持参していた。
投球の合間には、残ピンやスコアの確認を、コーチやガイドなどのアシスタントが行う。その他、フォームや立ち位置の確認なども同時に行われる。

ブラインドスポーツは静かな環境で行われるイメージだが、ボウリングは必ずしもそうではない。音楽こそかかってはいなかったものの、ボウルの投球音、ピンが倒れる爽快な音、ストライクをとった時の歓声がいたるところから聞こえてくる。その環境の中で、選手は集中を高めて投球をする。選手の投球動作の一つ一つから集中力と緊張感が伝わってくる。
今大会では、個人、ダブルス、3人チーム戦、4人チーム戦の競技が行われた。
個人戦では、女子B1クラスで高木綾子選手が、B3クラスで森澤亜希子選手が優勝した。高木選手は、競技4日間のトータルスコアでも女子B1クラス優勝を果たしている。
最終日の4人チーム戦で、日本は予選を3位で勝ち上がり、準決勝に進んだ。日本チームの声援は、各国の中で最も大きく、ストライク、スペアを取るごとに会場は大歓声となった。日本は、高木綾子選手や清杉雅敏選手がスコアを伸ばし善戦したが、惜しくも優勝した韓国に敗れ、3位となった。
今大会は全般を通して韓国勢が活躍した。スコアを見ると、アベレージが200を超えている選手も多く、レベルの高さを感じる。

大会プログラムの表紙には点字とロゴマークの掘り加工がされており、選手たちが触れた時に分かるよう工夫がされていた。
今年10月7日(土)、8日(日)には、東京都で「第16回全日本視覚障害者ボウリング選手権大会」が開催される。競技としてのボウリングもさることながら、高い集中力と研ぎ澄まされた感覚の中で放たれる一投を、ぜひともご覧いただきたい。
■大会結果 ※優勝者のみ、数字はスコア
〇個人戦
男子 B1 Lazmy Shlomo(Israel) 138
   B2 Koh Young Bae(Korea) 232
   B3 Bin Hussain Mohamed Ismail(Singapore) 181
女子 B1 Takagi Ayako(Japan) 161
   B2 Lee Kunhye(Korea) 208
   B3 Morisawa Akiko(Japan) 159
〇ダブルス
B2+B2  Koh Young Bae、Lee Kunhye(Korea) 512
 B1+B2/3 Kim Jung Hoon、Bae Jin Hyung(Korea) 355
〇3人チーム(B1+B1/2+B2/3)
Kim Young Cheol、Lee Yunkyung、Bae Jin Hyung(Korea) 593
〇4人チーム(B1+B2+B2+B3)
 Kim Jung Hoon、Lee Yunkyung、Lee Yong Tae、Koh Young Bae(Korea) 774
〇4日間トータルスコア
男子 B1 Kim Young Cheol(Korea) 2897
   B2 Koh Young Bae(Korea) 4102
   B3 Huang Yu-Hsiao(Chinese Taipei) 4219
女子 B1 Takagi Ayako(Japan) 2949
   B2 Lee Kunhye(Korea) 4286
   B3 Koskinen Mari(Finland) 3621

■大会公式HP
■一般社団法人全日本視覚障害者ボウリング協会
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