TOP現地レポート記事一覧 > 現地レポート詳細

「障がい者バドミントンの魅力発信」~第29回 東海障害者バドミントン選手権大会~

2017.09.26

9月17日(日)名古屋市障がい者スポーツセンターにて、第29回東海障害者バドミントン選手権大会が開催された。東海地区の障がい者バドミントン選手のために始まった大会で、東海障害者バドミントン連盟が主催している大会である。大型の台風が接近し開催も危ぶまれる中ではあったが、54名(健常者も含む)が参加し熱戦が繰り広げられた。

障がい者バドミントン(パラバドミントン)は、3年後の東京パラリンピックから初めて正式採用された今注目の競技である。クラスはおおまかに立位(下肢障がい、上肢障がい、低身長)・車椅子に分けられる。

この大会では障がい者と健常者がペアを組むことが出来る大会となっているとのことであった。記者は知らなかったのだが、驚くべきことに、自分のペアが分かるのは、試合の前日や当日になることが多いという。記者は団体競技を行っていた経験があるが、チームメイトは顔の知れた人であることがほとんどであるし、トーナメントなどに参加する際の対戦相手は、1週間以上前から決定されていたことが多かったので意外だった。
まず、上肢障がいの部と下肢障がいの部を観戦した。先ほど述べたように今大会では、当日に初めて会う人とのペアになることも多いため、お互いのプレースタイルの特徴が分からない。試合序盤は、終始自分のペアの特徴を掴むのに集中しており、テンポのゆったりとした展開が続いていた。
しかし、試合終盤になり、ペアの息が合いだすと、バドミントン特有のスピード感あふれる攻防が続いた。右腕が麻痺している選手は左腕で器用にどんなスマッシュにも喰いつき、義足の選手が強烈なジャンピングスマッシュを放つといったプレーには驚いた。

障がいのある選手とはじめてペアを組んだ健常の選手は、
「ペアの方に助けてもらいっぱなしでした」
とのことで、技術の高さを肌で感じた様子だった。
次に、車椅子クラスを観戦した。
車椅子クラスのシングルスは半面のコートで競技が行われる。記者は車椅子バドミントン初観戦だったため、「よくラケット操作と車椅子の操作を同時に出来るなあ~」と感心していた。しかし、観戦しているうちに不思議に思うことがあった。それはレシーブの選手が、相手が打つ前に動き出しを始めることについてである。

なぜこのような動きをするのかを選手に伺ったところ、
「車椅子の(特性として)苦手な瞬発的な動きをカバーするために、プレーを先読みする必要があるんだよ。」
とのことだった。記者も車椅子に乗ったことはあるが、たしかに瞬発系競技であるバドミントンと車椅子は相性が悪い。先読みでその部分を補っていくという事で非常に合点がいった。前後へのゆさぶりや緩急など戦略的な攻防が魅力の車椅子バドミントン、非常に面白い。
今回の取材では、もちろん障がい者バドミントンの魅力に大きく迫ることができた。しかし、それだけでなく地域密着の大会という事もあって、スポーツの本質、素晴らしさを感じる機会が多かった。
スポーツを通じての人と人との繋がり。笑顔が満ち溢れる会場の暖かい雰囲気。
地元団体の精力的なサポート。全国レベルの大会では薄れてしまいがちなこのようなスポーツの本質を改めて再認識できた。しかもそれは障がいとは無関係であり、障がい者スポーツには障がいを超えて人間を一つに繋いでくれる素晴らしい可能性が広がっていると感じた。
(Text & Photo by セイスケ)

その他のパラバドミントンの記事はこちら