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本気の「アミザーデサッカー大会」

2017.10.11

 9月16日から18日の3連休に富山県で開催された「アミザーデサッカー大会」は、今年で第18回目を迎えた大会だ。参加したのは、サッカーを愛する個人や団体。3日間で全国から延べおよそ300人の参加者が集まった。
 この大会の目的は勝つことだけではない。健常者と障がい者がサッカーを通して交流することにより、友情(アミザーデ)の輪を広げていくことを目指したサッカー大会である。
 大会1日目には、かつて横浜F・マリノスでプレーし、日本代表もつとめた水沼貴史さんによる「水沼クリニック」が開催された。2日目からはチーム・地域交流ゲームや、参加者をバラバラのチームに振り分けてゲームをするフレンドリーマッチ等が行われた。
 プログラムには、子どもや、ボランティアも楽しめるように、海外でも活躍するフリースタイルフットボーラーの浅井徹さんによるリフティングパフォーマンスや、子ども向けのリフティング教室、チアリーディングチーム「Tinks」による応援なども盛り込まれていた。休憩時間には、手作りクッキーや特性フルーツポンチが振る舞われ、大会というよりも、どこかお祭りのような雰囲気が感じられた大会であった。
 障がい者と健常者が一緒に行うスポーツは一般的に「インクルーシブ(包括的な)スポーツ」と呼ばれる。この大会も障がい者と健常者が参加しており、インクルーシブサッカー大会であるといえるだろう。だが、この大会のインクルーシブな部分は障がいの有無だけではない。参加者はJ3カターレ富山の選手、サッカーの名門 富山第一高校サッカー部の現役選手をはじめ、学生、理容師、記者、カレー屋さん、幼稚園児など多岐にわたる。中には体育の授業でしかサッカーをしたことがなかった参加者もいる。それぞれバックグラウンドや、サッカーの実力が全く異なる人々が参加しており、よりインクルーシブの度合いが強いサッカー大会であった。
 大会中、会場を取材に回っていると参加者は皆、口々に「この大会では本気になれる」と話す。実力や体格には差があるのにも関わらずだ。参加者のプレーを視ていると、対戦相手に心配りはあっても遠慮は感じられない。そんな中、走るのが難しい参加者がゴール前にいると、現役高校生からピンポイントのクロスがあげられてきた。タイミングを合わして脚を蹴りだすと、華麗なシュートが決まる。まさに互いの能力を最大限に生かすプレーであった。本気で相手と向き合っているからこそ生まれるプレー。この「本気」こそが18回も続くアミザーデサッカー大会の大きな魅力なのだと感じられた。
(Text & Photo by はちみつ)

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