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2017年 車いすフェンシング日本選手権大会⑤エペ(MIX Gender)火花が散るほどの熱き戦い!!!選手の気迫に観客も圧倒。

2017.10.24

10月15日、京都車いすフェンシング競技ナショナルトレーニングセンター(元山王小学校)で、剣の重なる音や気合の叫び声が雨の音に負けじと聞こえていた。ここで、車いすフェンシング日本選手権大会・国際親善大会が14日、15日と行われていたのである。日本人選手16名以外に、台湾、香港、韓国、マカオと7名の外国人選手が出場。フェンシング元日本代表選手であり、日本フェンシング協会会長に就任した太田雄貴氏も視察に来ており、国内でも大きな規模の大会であるということを物語っていた。

車いすフェンシングは健常のフェンシングと同じルールであり、フルーレ、エペ、サーブルの3種類がある。種目の中で、ルールやポイントとなる有効面がそれぞれ違っている。健常者のフェンシングとの違いは、車いすに乗り、車いすが「ピスト」という装置で固定されており、競技者同士の腕の長さに応じて、相手との距離を決めるという点だ。お尻を浮かすことは許されず、上半身のみを使って競技をする。それ故、スピードや技術力が要求されることになる。
14日に男女のフルーレの試合が行われ、15日にエペ、サーブルの試合が行われた。エペとサーブルは男女混合で障がいの度合いによってカテゴリーAとBに分かれて試合が行われた。(腹筋が機能するかしないかで分けられ、機能が難しい人はBに分けられる)記者は、エペを中心に取材をした。エペは上半身全ての突きが有効とみなされる(腕、マスクも含む)。メタルのスカートを着用する下半身は無効面となる。先に突いた方にポイントが入り、「攻撃権」はなく、両者同時に突けば両者ともに得点が入る。
日本を代表するような選手が多く出場しており、白熱した戦いをみることができた。中でも、皆の注目が集まった一戦は、エペ(カテゴリーB/男女混合)の準決勝。日本の若きエースとして東京パラリンピック出場の期待がかかる、櫻井杏理選手と藤田道宣選手の試合である(藤田選手は太田雄貴氏の後輩であり、前日のフルーレで惜しくも2位)。
お互い一歩も譲らず、途中点差をつけられても追いつき、追い越し、また同点の繰り返し。客席も皆が試合に見入っていた。接戦の末、15対14で藤田選手が決勝戦の切符を勝ち取った。

エペ(カテゴリーB/男女混合)の決勝戦。客席から櫻井選手ら試合の終わった選手達が見守るなか、藤田選手と韓国出身のPARK Chun Hee選手の試合が始まった。両選手とも、準決勝の疲れなどを感じさせない、迫力ある突きをみせた。この試合も点を取られたら取るの繰り返しで、同点のまま12対12。両者が2回連続で同時に突き14対14。緊迫した雰囲気のなか、最後に点を取ったのはPark選手だった。客席の櫻井選手が悔しがる場面も印象的であった。白熱した戦いを2度繰り広げた藤田選手に記者はインタビューをさせていただいた。
記者:今大会を振り返っていかがですか?
藤田選手:目標は優勝だったのですが、達成できなかったので満足はしていません。
来年もまた出場選手の人数が増え、今年よりも大きな規模になってほしいですし、個人的にはまた来年も出場して優勝を目指したいです。
記者:藤田選手が思う車いすフェンシングの魅力とは何ですか?
藤田選手:ルールが難しく、理解しにくい部分も多いと思うのですが、相手と近い距離で試合を行うので、相手との駆け引きだったり、スピード感もありすごく迫力があります。是非、生で観戦してほしいです。

記者は初めて車いすフェンシングを観戦したのだが、藤田選手も語ってくれたとおり、相手との距離が近いことや試合を間近で観戦できるからこその迫力を感じることができた。試合は短時間ではあるが、マスクを脱いだ選手の皆さんは汗が噴き出ていた。きっと試合を生で観戦すれば、選手以上に熱くなれるだろう。競技人口が増え、ますます車いすフェンシング界が盛り上がるためにも、競技の魅力を発信していきたいと感じた。
(Text & Photo byスズキング)