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2017年 車いすフェンシング日本選手権大会④サーブル(MIX Gender)一瞬の一撃を見逃すな!

2017.10.24

「Allez!(アレ!)」の言葉を合図に試合が始まるスポーツ。それは、フェンシングである。記者は、10月15日、車いすフェンシング日本選手権大会に来ていた。この大会は、13日~15日に京都車いすフェンシング競技ナショナルトレーニングセンターである元山王小学校で開催された。15日には、午前はエペ、午後はサーブルの2種目が行われた。

今回、注目した種目は、サーブルである。サーブルとは、フルーレと同じく「攻撃権」に基づいたルールであるが、使える技は「突き」に加え、「斬り」もあるのが魅力である。カテゴリーAには、14日のフルーレ種目で優勝した安直樹選手、午前中のエペ(カテゴリーA)で優勝した加納慎太郎選手、高校1年生で期待の新星である鈴木誠選手らが出場した。
(サーブル及びエペは男女混合でカテゴリーはA、Bに分けて実施された)
安選手は、メインをフルーレからサーブルに移行しようと考えを表明してから、初めての大会であったと聞いた。予選。安選手は切れのある上半身の動きで相手の攻撃をかわし、素早い剣さばきで相手を圧倒。それはまさに「一撃」で相手から勝利を奪う試合であった。

サーブル・カテゴリーA準決勝。安選手は鈴木誠選手との対戦であった。相手から一本取ることに苦戦し、相手にリードを許す試合展開になった。非常に緊迫した熱い戦いとなり、互いの剣がぶつかり合ったときに、まるで火花が散るような場面もあった。安選手は途中、追い上げを見せたが、惜しくも9-15で敗退し、3位という結果で終わった。
決勝。鈴木選手と加納選手の戦いとなった。会場の視線は2人の試合に集まり、2人とも緊張した面持ちで試合が開始した。加納選手は果敢に攻めていき、鈴木選手はひるまず返していくという、白熱した試合となった。結果は、15-5で加納選手がエペに引き続きサーブルでも優勝した。

サーブル・カテゴリーBでも熱い戦いが行われた。優勝は韓国のパク選手(PARK Chun Hee)
、2位は恩田竜二選手、3位は藤田道宣選手、角田 成選手となった。

試合後、今回惜しくもサーブル・カテゴリーAで3位となった安選手にお話をうかがうことができた。

記者:今回のサーブルの試合を振り返ってみていかがですか?
安選手:メインがこのサーブルという競技だったので、その試合が3位であり、こういうこともあるんだなとショックが大きいです。
記者:一番苦戦したことは何でしたか?
安選手:まず、体調不良。コンディショニングは自分の問題なので、今回そこが一番ひどかったです。
記者:今後の目標と課題を教えてください。
安選手:近々でいうと、11月上旬に世界選手権があるので、しっかり今回のミスや課題を踏まえて、また、テクニカルの部分も身につけて、2週間もあるので、しっかり向き合っていきたいと思っています。
と語ってくれた。冷静に語る中にも悔しさがにじみ出ていた安選手。きっと、安選手であれば、進化し続け、この先もやってくれること間違いないだろう。
車いすフェンシングは、まだ競技人口の少ないスポーツであると聞いた。しかし、非常に魅力的なスポーツだ。今回の取材で初めてこの競技を目にした記者は、心からそう感じた。剣先がぶつかり合う音、選手から伝わってくる緊張感と集中。一瞬の動きが勝敗を決めるこのスポーツは、観客側をあっという間に引き込んでしまう力があった。今回行われたこの大会が、日本において車いすフェンシングが発展していく、さらなる一歩となったに違いない。
(Text & Photo byゆずちん)