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渋谷区長杯第1回渋谷区ウィルチェアラグビー大会~「知る」「観る」「する」「支える」4アクションで楽しむウィルチェアーラグビー~

2017.11.08

東京オリンピック開催1000日前となった10月28日(土)、全国では多くのスポーツイベントが行われた。東京都の渋谷区スポーツセンターでは「渋谷区長杯第1回渋谷区ウィルチェアーラグビー大会」が行われ、東京・神奈川・埼玉・千葉から4チームが出場した。この大会は、渋谷区の「オリンピック・パラリンピック競技リアル観戦事業」の一環として行われたものである。渋谷区は東京オリンピック・パラリンピック競技大会の際、ウィルチェアーラグビー・ハンドボール・卓球・パラ卓球・パラバドミントンの会場となる予定である。しかし、これらの競技は都内で大会が行われることが少なく、区民にとってあまり馴染みのないものであった。そこで渋谷区内で開催予定のオリンピック・パラリンピック競技を地元の人達に身近に感じてもらうため、区が大会や体験会を行っている。それが「オリンピック・パラリンピック競技リアル観戦事業」である。これまでにハンドボールや卓球、パラバドミントンの試合や大会が開催された。
今回、大会が行われたウィルチェアーラグビーの競技団体と渋谷区は、渋谷区が競技団体に練習場所を提供し、選手たちは区内の学校で子ども達と交流するなど、互いに友好関係を築いてきた。それだけに渋谷区長杯と銘打たれた本大会は、両者にとって思い入れの強い大会となったことだろう。会場では観客にウィルチェアーラグビーへの興味を持ってもらうため、様々な工夫がなされていた。

まず印象的だったのは、コートと観客席の近さである。最も近い所ではコートから2mほどの位置に観客席があり、ウィルチェアーラグビーの醍醐味ともいえる車椅子同士の激しいぶつかり合いが、観客の目の前で繰り広げられていた。そして、試合の最中には、ウィルチェアーラグビー日本代表の池崎大輔氏による解説が行われ、ルールが分からない人にも楽しんでもらえる心配りがなされていた。お昼には来場者を対象に体験会が行われ、集まった50名程が車椅子に乗ってコースを走ったり、出場した選手と車椅子でのタックルを体験したりした。また、体験会中には、渋谷区立長谷戸小学校の児童らが、体育館内のタイヤ痕を消す掃除ボランティアを行っていたのも印象的であった。
オリンピック・パラリンピック教育を推進するにあたり、東京都が掲げているキーワードに「知る」「観る」「する」「支える」の4アクションがある。本大会にはこれら4つのアクションが全て散りばめられ、スポーツの多様な楽しみ方を体現した大会であったといえるだろう。

大会中、運営を行なっていた渋谷区区民部オリンピック・パラリンピック推進課長の田中豊さんにお話を聞くことができた。田中さんは、オリンピック・パラリンピック競技リアル観戦事業で行われる試合や大会の観客層について、「(老若男女や障がいの有無に関わらず)全ての人に観てもらいたいが、その中でもとくに子ども達にもっと観にきてほしい」と話す。大会に来た子ども達がパラリンピックの競技に興味を持ち、保護者を大会に誘う。そうすることにより、家族みんなで大会を観にきてもらうことが狙いだ。子どもがパラリンピックに興味を持ち、その魅力を保護者に伝えることを「リバースエデュケーション」といい、史上初めてチケットを完売し、大成功と言われたロンドン2012パラリンピック競技大会にもみられた現象である。2020年に開催される東京2020パラリンピック競技大会に向け、日本は独自の振興方法を見出すことが期待されているが、海外の成功例を見習うことも大切である。本大会には、地元の渋谷区内の小学生を始め、ウィルチェアーラグビーの合宿地である新潟県南魚沼市の小学生や、秋田県大館市の小学生等、多くの子ども達が来場していた。今後、彼らが日本中にパラリンピックの魅力を伝えていくインフルエンサーとなることを期待したい。
(Text & Photo byはちみつ)
【大会結果】
優勝BLITZ(東京都)
準優勝AXE(埼玉)
3位RIZE(千葉)
4位横濱義塾(神奈川)

第1試合 :AXE(埼玉)VS 横濱義塾(神奈川) 59-40
第2試合 :BLITZ(東京都)VS RIZE(千葉) 49-42
3位決定戦:横濱義塾(神奈川)VS RIZE(千葉)47-50
決勝戦  :AXE(埼玉)VS BLITZ(東京都) 50-51

​「渋谷区公式HP」オリンピック・パラリンピック競技をリアルに観戦しよう!!
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