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「第7回日本アンプティサッカー選手権大会2017」大迫力の「アンプティサッカー」―まさに劇的な勝利だった―

2017.11.21

11月11日、12日の2日間に渡って行われた「第7回日本アンプティサッカー選手権大会2017」。2日目は順位決定戦ということで、富士通スタジアム川崎では数々の熱戦が繰り広げられた。

アンプティサッカーでは、上肢切断者がゴールキーパー(GK)を、下肢切断者がフィールドプレーヤー(FP)を務める。FPはクラッチと呼ばれる医療用の杖を使いながらピッチを縦横無尽に駆け回る。コートの大きさは通常のサッカーに比べると小さく、7人制で行われるのが特徴だ。

記者は今回、アンプティサッカーの体験会にも参加した。2本のクラッチを上手に使いこなしながら、体を思い通りの方向に動かすのは至難の技だ。ダッシュの練習もしてみたが、全くスピードが出ない。そして予想以上に全身の筋肉を使うことが分かった。

そのあとで選手たちの試合を見た記者は、素早いドリブルや正確なトラップなど、一つ一つのプレーにくぎ付けになった。選手たちはクラッチをまるで体の一部であるかのように操る。うまく体を使ったノーファールでのボール奪取には驚かされた。そして流れるようなパス回しは、アンプティであることを忘れさせるかのようだ。
そんな中、今大会最も盛り上がりを見せたのが決勝戦だ。今年も決勝のカードはFCアウボラーダ対FC九州バイラオールとなった。先制点を許し、追いかける立場となったFCアウボラーダは、後半残り4分を切った頃に、絶妙な位置でFKを獲得。秋葉海人選手が左足を振り抜き、豪快にゴールネットを揺らした。延長戦では、前半終了間際に秋葉選手がこの試合2得点目を決めたが、FC九州バイラオールも意地を見せる。後半終盤、間接フリーキックのチャンスで、萱島比呂選手が狙い澄ましたシュートを放つ。相手DFがクリアしたこぼれ球を星川誠選手が押し込み、同点弾を決めた。勝負の行方は運命のPK戦へ。両チーム共に次々とゴールを決め、サドンデスに突入。観客もこの接戦を、固唾を呑んで見守る。するとついに、GK東幸弘選手がFCアウボラーダ6人目のキッカーを止めた。後攻のFC九州バイラオールは、これを決めれば悲願の頂点に輝く。ボールはゴール右隅に吸い込まれ、この瞬間FC九州バイラオールの優勝が決まった。「みんなが最後の最後まで力を出し切った」(萱島選手)。見ていてわくわくするようなサッカー。まさに劇的な勝利だった――。
閉会式で「中学生、高校生がベテランを脅かすようになってきた」と語った日本アンプティサッカー協会最高顧問のセルジオ越後氏。競争率が上がることで、さらにハイレベルなゲームが期待される。今後どこまで日本のアンプティサッカーのレベルが上がっていくのか――。選手たちは飽くなき探求心を胸に、これからも挑戦し続ける。
(Text & Photo byたな)
【最終順位】
優勝 FC九州バイラオール(2年ぶり3度目)
準優勝 FCアウボラーダ
3位 関西セッチエストレーラス
4位 バンブルビー千葉AFC
5位 合同チーム2(FC−ONETOP / アウボネクスト / Asilsfida北海道AFC)
6位 合同チーム1(TSAFC / ガネーシャ静岡)
7位 アフィーレ広島

【個人賞】
MVP 星川 誠 選手
得点王 萱島 比呂 選手
敢闘特別賞 福田 柚稀 選手
新人特別賞 近藤 碧 選手

第7回日本アンプティサッカー選手権大会2017
特定非営利活動法人日本アンプティサッカー協会