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超福祉展2017「誰かの行けたが私の行けた~すべての人にやさしい街づくりプロジェクト~」

2017.11.15

11/7からスタートした超福祉展。
4日目の11/10「すべての人にやさしい街づくりプロジェクト~シブヤの街のバリアフリーマップづくり~」と題したシンポジウムを取材させていただいた。

登壇者は、人間生活工学を専門とする日本大学 生産工学部創生デザイン学科の鳥居塚 崇教授(写真奥左側)、22歳の時に筋肉が衰えていく進行性の筋疾患を患い、簡易電動車いすを利用して生活をしているNPO法人PADM代表・織田友理子さん(写真手前左)、不慮の事故により脊髄を損傷し車いすの生活となった大塚訓平さん(写真手前右)(NPO法人アクセシブル・ラボ代表理事/株式会社オーリアル代表取締役)、フリーアナウンサーやライターとして子連れで活動しながら、ピープルデザイン研究所運営委員で社会的な課題解決に取り組む渡部郁子さん(写真奥右側)の4人。様々な経歴を持つ方々がシブヤの町で実施した調査結果についてトークセッションを行った。
車いすとベビーカーを使ったシブヤの街のバリアフリー調査
バリアフリーとは障壁のないこと。
バリアフリーマップとは通路の段差、坂道、商業施設内等のエレベーターや多目的トイレの有無等を、高齢者や障害者、乳幼児を連れた方々が安心して外出できるようにお知らせするものだ。
登壇者の方々が実施した昨年の調査では、車いす/ベビーカー使用者・日本語を母国語としない方・比較対象のために健常者が参加し、渋谷駅の乗り換えに要する移動時間を測定した。

「車いすやベビーカーを使用する方が上下階を移動するにはエレベーターを利用するしかなく、満員で何度もエレベーターを見送り、譲ってもらえるよう声がけをしても聞いてもらえず、心のバリアがあると感じることもある。便利だから使いたい訳ではなく移動が可能か、不可能かというものさしで動いていることを心に留めて欲しい。」と車いすユーザーの大塚さんは言う。
簡易電動車いすで利用する織田さん、子連れで調査に参加した渡部さんもエレベーターは特に大変な思いをしており、「海外に行くと子供にもスマートに譲ってもらえることが多く、教育の面で日本は遅れていると感じている」と語った。

今年の調査で渋谷駅近辺の移動所要時間の測定を行ったところ、坂という大きなバリアはあったものの、困っていると声をかけてくれたり、道を譲ってくれる人達がおり、心のバリアは低くなっていると感じることがあったとのことだ。
超福祉展の開催地である渋谷区は、自治体として「ちがいをちからに変える街」という未来像を掲げている。行政として民間企業と一緒に、自分達のわからないことは様々な当事者やその道のプロフェッショナルに意見を聞いて共創していこうと進めており、ハード面の整備も着々と進められている。
国土交通省もユニバーサル社会の構築に向けて、車いす使用者の方が通行できるバリアフリールートをスマートフォンを通じてナビゲーションできるよう「通れたマップ」の作成を進め、WheeLog!というアプリがそのデータの提供を行っている。
WheeLog!・・・スマートフォンを通じてバリアフリーに関する経験や知識を共有するためのアプリ
 https://www.wheelog.com/hp/
シンポジウムの最後には参加者とのワークショップが開かれ、今後の課題や解決策について分かち合いが行われた。また、WheeLog!の詳しい説明もなされた。

様々な不安を抱え外出を躊躇されている方々にとって、「誰かの行けたが私の行けた」に繋がる取り組みが世界に広がることが期待される。
(Text & Photo by Junco)

 ​超福祉展2017公式サイト