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「第34回日本身体障がい者水泳選手権大会」パラ競泳日本選手権、新記録で高まる期待

2017.12.04

「第34回日本身体障がい者水泳選手権大会」が、11月18日、19日の2日間をかけて行われた。各種目の日本一を決めるべく繰り広げられる熱いレース。千葉県国際総合水泳場には多くの人が駆け付け、選手たちに声援を送った。

競技者はそれぞれ異なる障がいを持つため、パラ競泳には細かいクラス分けが存在する。今大会では22個の日本記録に加え、4個のアジア記録が塗り替えられた。木村敬一選手もそのうちの1人。男子100mバタフライ(S11)ではアジア新記録を樹立した。木村選手はプールサイドにいる記者の前を、猛スピードで水しぶきを上げながら通り過ぎていく。何の障がいを持っているのか、ひと目見ただけでは全く分からなかったが、実は木村選手は目が見えない。それでも恐れることなくどんどん前に向かって進んでいく。そのまっすぐな泳ぎに、迷いはなかった。
そして記者は今回、西田杏選手に話を聞くことができた。西田選手は生まれつき左上腕と右足大腿骨が欠損している。今大会では50m、100mバタフライ(S8)で自己ベストを更新し、優勝した。2020年には念願のパラリンピック出場を目指す21歳だ。バタフライの場合、現在のルールでは両手で泳ぐのか片手で泳ぐのかは、自分で選択することできる。今までは右手と残された左手の一部の両方を使って泳いでいた西田選手だが、2年前からより記録の良い右手だけでストロークを行っている。もちろん両手だとパワーがあり速く泳げるのだが、その分スタミナが持たない。逆に片手だと疲れない分、後半までスピードを維持できるというメリットがある。
「でもいずれは両手で今の記録を抜かすぐらい速くなるのが理想です」(西田選手)。
両手での力強い泳ぎを最後まで維持することができれば、さらに上の記録が狙えるだろう。パラ競泳は想像以上に複雑だ。しかしだからこそ伸びしろが多く、おもしろい競技だと感じた。
残り1000日を切った2020年の東京オリンピック・パラリンピック。1日目に50mバタフライ(S9)で日本記録を更新した一ノ瀬メイ選手は、「(東京パラリンピックでは)メダル獲得が目標です」と即答する。数々の新記録が出た今大会は、日本勢の今後の活躍がより一層楽しみになるような、実りある大会となった。
(Text & Photo byたな)
今回チャレアスでは大会の後日【女子50m平泳ぎ SB6クラス】第1位となった秋葉理絵選手にインタビューさせていただくことができた。

▼秋葉 理絵(アキバ リエ)選手  所属 まんぼうサガミ / 日本ステリ株式会社
▼大会結果
 女子50m平泳ぎ SB6クラス 第1位(Record 01:45.84)
 女子50m背泳ぎ S7クラス 第4位(Record 01:17.55)

▼インタビュー
 記者:今回のレースはどうでしたか。
 秋葉選手:レース前はとても緊張しましたが、良い緊張でレースに望めました。スタート台に乗ってスタートしたことが結果に繋がりました。
 
 記者:第1位を獲った感想はいかがでしたか。
 秋葉選手:SB6クラスに変更して賞を獲りとても嬉しいです。

 記者:今後に向けて一言お願いします。
 秋葉選手:次回も1位を目指して頑張ります!

それぞれの選手が一人ひとりの想いを胸に大会に挑んだ「第34回日本身体障がい者水泳選手権大会」。
また来年も多くの記録が生まれることを期待したい。

第34回日本身体障がい者水泳選手権大会結果