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2017 Peace Cup 第28回 国際・国内交流車いすテニス大会「勝ち抜くことが強者の証」

2017.12.02

平成29年11月16日(木)~19日(日)に、広島広域公園テニスコートで「2017 Peace Cup 第28回国際交流車いすテニス大会」が開催された。

今大会は、男女共に準決勝から拮抗した試合が予想され、誰が優勝するのか予測ができない大会となった。
シングルス男子は、今年9月に行われた「大阪オープン」優勝者IM,Ho-Won(イム ホ ウォン)選手(韓国)が今大会にも参戦。準決勝で第1シードの鈴木康平選手と対戦した。
鈴木選手は、第1セットから気合いむき出しで、ショットが決まると大きな声で気持ちを高めていく。反対に、イム選手は、淡々とミスを修正しながら自分のリズムを作っていく。互いに1セットずつを奪い、勝負のファイナルセット。序盤はイム選手のペースとなり4-1で鈴木選手をリードする。しかし、ここから鈴木選手が巻き返し、4-3の1ゲーム差まで詰め寄った。デュースが連続するなど、鈴木選手は最後まで粘りを見せたが、数センチのところで鈴木選手がショットを外し、イム選手がショットを決めて勝負あり。6-4でイム選手がファイナルセットを奪い、決勝へ進んだ。
イム選手は、シングルス決勝で同じ韓国のLEE,Ha-Gel(イ ハ ゴル)選手に敗れたが、ダブルスで優勝を果たした。
シングルス女子は、第4シードの大谷桃子選手が、準決勝で第1シードの田中選手を破り、決勝戦では準決勝の勢いそのままに、第3シードのPARK,Ju-Youn(パク ジュ ヨン)選手(韓国)を6-1、6-1の2-0で破って初優勝を飾った。
車いすテニスは、クァード(四肢麻痺)のクラスで、電動車いすでの参加が認められている。今大会に出場していた、日本国内唯一の電動車いすテニスプレーヤーである、一宮剛選手にインタビューを行った。
一宮選手は、日常生活でも電動車いすを使用しており、車いすテニスでも同じ物を使用している。

記者:車いすテニスで電動車いすに速度制限はありますか?
一宮選手「速度制限はありません。操作は全てジョイスティック(車いすを操作するレバー)で行います。」

記者:車いすテニスをするために工夫していることはありますか?
一宮選手「タイヤの空気圧を減らしてひっかかりをよくするなど、車いすの設定をサーフェス(コート面の材質)ごとに変えています。できるだけ高い打点で打てるようにクッションを入れて車いすの座面を高くしています。また、姿勢が崩れないように背中にもクッションを入れています。」

記者:海外など遠征ではどのように対応しているのですか?
一宮選手「飛行機では車いすは手荷物になります。パンクや電池切れに対応できるよう、タイヤや電池など変えの部品を何点か持っていきます。一度台湾で空港に着いたら電気コードが切れていたことがあります。テープでぐるぐる巻きにして何とか動かすことができました。」
航空機の移動で車いすが破損することは珍しいことではない。一宮さんの場合、競技用の車いす=生活用の車いすであるため、破損は日常生活に大きな支障をきたすことになる。

電動車いすの操作は難しく、手動の競技用車いすとは異なった操作技術が求められる。
日本で電動車いすプレーヤーが他にいない中で、一宮さんはコツコツと技術を高めてきた。パラリンピックでは、電動車いすプレーヤーのメダリストも存在する。車いすテニスの技術は奥が深く、その可能性は計り知れない。
■大会結果
○シングルス優勝
男子 LEE,Ha-Gel(韓国)
女子 大谷 桃子(佐賀県)
クァード 諸石 光照(岐阜県)

○ダブルス優勝
男子 IM,Ho-Won(韓国)、LEE,Ha-Gel(韓国)
女子 PARK,Ju-Youn(韓国)、田中 愛美(埼玉県)
クァード HUANG,Tzu-Hsuan(チャイニーズタイペイ)、菅野 浩二(東京都)