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海外から有力選手も参戦~第32回全日本視覚障害者柔道大会~

2017.11.29

2017年11月25日(日)、東京都文京区にある講道館にて、第32回全日本視覚障害者柔道大会が行われた。
障害者柔道の普及の為、海外の選手にも声をかけ始め3年目となるが、柔道発祥の講道館で戦ってみたいという声も多くあり、今年はアメリカ、イギリス、韓国やルーマニア等から約30名の海外選手が参加し国際色豊な大会となった。直前にウズベキスタンで行われたIBSAワールドカップに出場したばかりの日本代表選手も参加した。
視覚障害者の柔道は、障害の程度によるクラス分けはなく、体重別で行われる。最初に互いの襟と袖を持ち、組みあった状態から始まる。1試合4分で行われ、試合中に両者の体が離れたら「待て」として時間を止め、試合開始位置に戻って組み直す。そのため健常者の柔道よりも時間がかかり、筋力・体力以外に持久力も必要となる。

本大会で日本人選手の最高成績は、女子57㎏級の廣瀬 順子選手の金メダルであった。廣瀬選手はリオパラリンピックで銅メダルを獲得したが、ウズベキスタン(IBSAワールドカップ)では5位に沈んだ。その悔しい思いをバネに、夫で同じくパラリンピアンの廣瀬 悠(はるか)選手と練習を重ねた。夫婦の目標は2020年の東京パラリンピックでともにメダルを取ることだ。
ウズベキスタンで銅メダルを獲得した女子48㎏級の半谷 静香選手は今大会でも銅メダルを手にした。
今大会を振り返り「今まで練習してきた技を思い切って出す勇気がなく、気持ちで負けてしまった」と悔しがったが、リオで5位入賞した後、下半身と体幹のトレーニングに力を注いできて、徐々に成果が出てきているのを感じているそうだ。今大会のように他国の選手が来日し、試合ができることは自らの経験値が上がる良い刺激となる、と話してくれた。
男子は残念ながら、日本人選手が金メダルを獲得することはできなかった。最高成績は銀メダル3選手である。66㎏級の藤本 聰選手は、「海外には色々な選手がいるが、対戦経験がないと対策ができないので、勝つためのヒントを得るためにもこうして海外の選手との試合がたくさん出来るのはと良い経験になる。」と語った。81㎏級の加藤 裕司選手も、「海外選手との差を見せつけられた、筋力強化が必須。」と語った。90㎏級の廣瀬 悠選手も「海外選手にパワーで負けてしまった、破壊力のある技を開発したい」と意気込んだ。今大会には今年8月に行われた第10回全国視覚障害者学生柔道大会で66㎏級を制した17歳の瀬戸勇次郎選手も出場し準決勝まで進んだ。

3年後の東京パラリンピック開催を控え、若手から競技歴20年以上のベテラン勢まで、幅広い選手のいる視覚障害者柔道への期待は更に高まりそうだ。
(Text & Photo by Junco)

NPO法人日本視覚障害者柔道連盟HP
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