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「私の世界を変えた電動車椅子サッカー」横浜F・マリノスカップ 第15回電動車椅子サッカー大会

2017.12.28

2017年12月23日(土)、24日(日)、横浜F・マリノスカップ 第15回電動車椅子サッカー大会が、障害者スポーツ文化センター横浜ラポールにて開催された。横浜マリノス株式会社が主催する大会であり、トリコロールマーメイズ(チアリーディングチーム)によるパフォーマンスや、横浜F・マリノスからサッカー日本代表、齋藤学選手が表彰式に登場するなど、華やかな大会であった。また、今大会から2日間にわたり行われることになり、試合数だけでなく体験会も非常に充実した大会であった。
大会1日目の体験会は選手、スタッフ指導のもと電動車椅子に乗る体験、選手とボールをパスし合う体験が行われ、大会2日目は電動車椅子サッカーのルール解説が行われた後、中学生により電動車椅子サッカーのルールでフットサルが行われた。これらの体験を通して、本大会の「多くの方々に電動車椅子サッカーの魅力を伝えると共に、地域社会の障がい者スポーツに対する理解度、関心度の向上」という目的が達成されたと感じる。

今大会は電動車椅子サッカーの最大時速の規定を設けることにより、6㎞/時カテゴリーと10㎞/時カテゴリーの2つで開催された。車いすの速度の違いによりそれぞれのカテゴリーで異なる魅力が見られた。6㎞/時カテゴリーの場合、蹴ったボールに追いつかないために先手を読み合う「緻密な戦術」サッカーといわれている。ドリブルスピードが遅くなるため、パス主体の試合展開になるが、パスをもらう選手はパスコースを予測し、出す選手と息を合わせて動き出さなければパスに追いつけないためパスが通らない。しかし、その難しさや繊細さを最大の魅力とし、パスが通った時に特に盛り上がりをみせるカテゴリーである。
10㎞時カテゴリーの場合は、 蹴ったボールに追いつく、運動量が多くフットサルに近い「ダイナミック」サッカーといわれている。そのため、パスも多いがドリブルも多用される試合展開となる。緻密さがありながらも、スピードが魅せる大迫力さに特に盛り上がりをみせるカテゴリーである。

6㎞/時カテゴリーではBLACK HAMERSが、10㎞/時カテゴリーではyokohama Crackersが見事優勝に輝いた。

どちらのカテゴリーでも熱い戦いが行われ、会場は歓声に包まれた。終了後、興奮冷めやまぬまま、あるチームに所属する選手の家族にお話しを聞くことができた。
「子どもは生まれつき身体が思うように動かせませんでした。なので、学校の体育では見学しかできません。しかし、なんとかして子どもに運動をさせてあげたかった。そこで役所に相談したところ、電動車椅子サッカーを紹介されました。そして、重度障がい者が動き回ってできる唯一のスポーツがこの電動車椅子サッカーでした。今こうして子どもが仲間達といきいきとボールを追いかけ、それを応援できることが本当に幸せです。」
身体をほとんど動かすことができない重度障がい者が、動きまわってできるスポーツの価値はとても高いと考えられる。しかし、競技用の電動車椅子は約200万円と高価なことや、チーム数が少ないことなど、まだまだ課題が残っている。
今、日本では2020年パラリンピックにむけて、障がい者スポーツの普及の波が起きつつある。それにより、一人でも多くの人が電動車椅子サッカーを認知し、応援することが課題解決にむけての大きな力になると考えられる。ぜひ一度、電動車椅子サッカーの試合に足を運んでみてはどうだろうか。あっと驚くようなプレーで、きっと私たちを魅了してくれるだろう。(Text & Photo by Seiji)

【試合結果】
■6㎞/時カテゴリー
優勝   BLACK HAMERS
準優勝  Safilva
3位   神奈川連合チーム グレイズ
4位   ウルトラForce

MVP BLACK HAMERS長澤優希選手


■10㎞/時カテゴリー
優勝  yokohama Crackers
準優勝 FCクラッシャーズ
3位  ヨコハマU-20
4位  YOKOHAMA BayDream

MVP yokohama Crackers 永岡真理選手