TOP現地レポート記事一覧 > 現地レポート詳細

ベストを目指して~第23回関東パラ陸上競技選手権大会~

2018.06.30

2018年6月30日(土)、例年より22日早い梅雨明けが発表された関東で『World Para Athletics公認 第23回関東パラ陸上競技選手権大会』が開催された。
会場は町田市陸上競技場は鶴川駅からバスに乗り約15分。会場は13時の時点で気温33.5℃、湿度56%、熱中症の注意喚起が出るようなコンディションであった。

フィールドではF40,41,42,44,45,46,63,64の(切断、機能障害)クラスのやり投げが行われていた。やり投げでは、投球動作において踏み込みも重要である。片足切断の選手において、細かい調整がきく健足側で踏み込むのでは、と記者は予想していたが、実際は義足側で踏み込む選手も見受けられた。踏み込む際には義足のブレードが大きくしなり、また別の選手は踏み込む際に大きく跳ねて助走を行っていた。ブレード裏には陸上のスパイクと同じようにピンがついており、また大きくしならせることで身体のばねと合わせ、まさに体との一体感を生み出していると感じた。
女子走り幅跳びT12(視覚障害)のクラスにおいて、今期好調の澤田優蘭選手(マッシュスポーツラボ)が5m28cmを跳び優勝。2018年5月に中国で行われた国際大会において、5m70cmを跳び、アジア記録の5m74cmに迫る記録をマークしている。澤田選手は「(今大会において)目標記録には届かなかった」と悔しがっている様子であった。今シーズンが本格的になってきた今、調整を行いぜひアジア記録を更新してもらいたい。

トラック競技において、注目すべきは「男子T54(切断・機能障害/座位) 5000m」であった。車いすのレーサーに乗り400mトラックを12周半回るが、この12周の間の駆け引きが面白い。先頭は風を受けるため、誰かの後ろに着いて走るよりも負荷がかかる。また、トラックはカーブが多く、前の走者を抜くタイミングも問われる。
5000mの世界記録は9分49秒17と、単純計算で1000mを2分かからずに走っている(時速30km超え)ことになる。このスピード感の中で周囲の状況と、勝負を仕掛けて前に出るタイミングの見極め、自分の残りの体力の判断力が必要となる。
結果は、パラリンピック常連の樋口政幸選手(プーマジャパン)が自身の持つ大会記録を塗り替え、10分37秒49を出し勝利した。
今大会初のアジア新記録を樹立したのは、T20(知的)クラスの男子800m、米澤諒選手(エスプール)であった。記録は1分55秒65、世界記録にも残り約2秒に迫る好記録。レースでは1周目から後者を30mほど突き放し、そのままスピードを保ったままフィニッシュ。レース後のインタビューでは、「得意な種目は400m」と、今年は短距離の練習にも力を入れているという、頼もしさを感じさせてくれた。

大会ではジュニアの200mも実施され、競技を行える環境変化を少なからず感じることができた。東京2020に向けて約2年、どのように選手たちが照準を合わせていくのか、今後の新記録続出に期待がかかる大会であった。