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「スタイルの追及と新たなバリエーション」皇后杯第29回日本女子車いすバスケットボール選手権大会

2018.11.19

平成30年11月10日~11日、グリーンアリーナ神戸(兵庫県)で「皇后杯第29回日本女子車いすバスケットボール選手権大会」が開催された。
今大会には全国から7チームが参加し、競技はトーナメント戦で行われた。

大会初日は、1回戦と2回戦の計5試合が行われた。
オープニングゲームは、九州ドルフィン(以下九州)対Brilliant Cats(以下キャッツ)。
試合開始から両チーム共にゴールがなかなか決まらない時間帯が続き、14-13と九州がわずか1点リードでハーフタイムに入る。第3クォーター開始直後、キャッツ15番大島美香が遠めからのフリーシュートを決めると、キャッツがここから一気に逆転。7点差をつけて流れは完全にキャッツに傾く。九州も全員攻撃をかけるが、シュートがなかなか決まらない。終盤は、守備のバランスも整ったキャッツが九州のパスワークにも対応。10番有川美穂(写真2枚目)、31番古野祥子らがフリーでシュートを決めるなど九州を突き放し、24-49で勝利し2回戦に進んだ。
1回戦2試合目は、グレース対エルフィンの関東同士の対戦。エルフィンは若手主体のメンバーでスタート。若手とベテランを入れ替えながら、それぞれの良さを活かしたゲーム作りをする。グレースの得点源は、13番の小田島理恵(写真3枚目左)。遠めからのシュート精度が高い。第2クォーターからグレースの攻守の切り替えが遅くなり、エルフィンに独走でシュートを決められる場面が増えてくる。
エルフィンは、スタートからほとんどの時間出場している17番の添田智恵が第4クォーターになってもキレが落ちない。中盤をコントロールし、スペースがあれば自らシュートを打って得点を取る。最後は2つ3つとパスコースを選ぶ余裕も見せた。グレース対エルフィンは、31-68でエルフィンが勝利した。
この大会は、今年から健常者の出場が認められている。中でも、エルフィン26番の平瀬由香(写真3枚目中央)の活躍は、今後戦術や技術面でのバリエーション増加を予感させる。


1回戦3試合目は、前回準優勝のスクラッチ対パッション。
スクラッチは、スタートの5人中4人が2018アジアパラ日本代表という充実した顔ぶれ。今大会はアジアパラ日本代表の土田真由美(写真4枚目)が加入し、攻撃力がアップした。
パッションは、スクラッチのスピードと厚みのある攻撃についていくことができず、18-79と得点差を大きく広げられて試合を終えた。パッションは得点こそ伸ばすことができなかったが、シュートチャンスは多く、プレスやスペースへの動きなど自分たちができることを最大限やろうという気持ちが感じられた。
前大会優勝チームのカクテルは2回戦から登場。1回戦で九州を破ったキャッツとの対戦となった。カクテルは、チーム得点源の網本真理が今大会欠場。この日は選手全員で5人という厳しい条件の中、どのような戦いするのか期待をして試合を見守った。
カクテルがディフェンスで相手にかけるプレスは他のどのチームよりも速く、あっという間に相手が自由にプレーできない状態へと追い込む。たとえ最初のプレスで相手に交わされたとしても、最後まで手を伸ばして追いかけてくる勢いが相手のシュートミスを誘う。キャッツはカクテルの厳しいプレスにパスがなかなか繋がらない状況が続いた。カクテルは、オフェンスでも、13番の北田千尋、14番の清水千浪のシュート決定率が高く、しっかりとチャンスをものにする。また、5番の柳本あまね、ローポインターの9番の北間優衣からもシュートが放たれる。守備でも抑えどころがないキャッツは最後までカクテルに対応することができず、73-36と大差で試合を終えた。


昨年と同じ顔ぶれとなったカクテル対スクラッチの決勝戦は、点の取り合いとなった。1試合を通して確実に得点を重ねたカクテルに対しスクラッチが試合終盤に痛いシュートミス。最後の最後まで集中を切らすことなく戦い続けたカクテルが65-61で大会5連覇を飾った。
■大会結果
優 勝 カクテル(近畿)
準優勝 スクラッチ(東北)
第3位 Brilliant Cats(東海北陸)


大会結果詳細