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「蹴り」に魅せられて~第12回 全日本テコンドー選手権大会~パラキョルギ

2019.02.16

2019年2月16日(土)、千葉ポートアリーナにて第12回 全日本テコンドー選手権大会が開催された。

直近2月5、6日に行われた第8回世界パラテコンドー選手権大会では、日本から6名の選手が派遣され、女子ではK44クラスで太田渉子選手が銅、男子でもK44クラスで工藤俊介選手が銅を獲得し、東京パラリンピックに向けて大きな弾みをつけたばかりである。

本大会でパラの部は「パラキョルギ」のみ、男子6名、女子3名が試合に臨んだ。
”キョルギ”とは「組手」という意味で、本大会の中にはもう一つ(健常者の部)に”プムセ”「型」の部が存在する。本大会のパラキョルギの部においては、蹴りの難易度によって得点が2点~4点まで加点されていき、中段蹴りのみが有効というルールであった。
試合は2分×3ラウンド、インターバル1分で1試合。
得点が入ると音声が流れ、さらに得点盤と連動。テコンドー初見の者にとっても、ゼロベースでどちらが優勢なのか分かり易い。
第一試合、田中俊祐選手対長谷川勝久選手、ラストの10秒は蹴り合いで乱戦。最後は27-25接戦で田中選手の勝利。

試合は次々に流れるように行われ、観ている者を飽きさせない。
「蹴る」に特化したこの競技は、”間合い”や”押す”など、「蹴る」という技にも種類が多様だ。
会場は選手の息づかいが感じられ、接戦になればなるほど、そして技が決まるたびに観客も盛り上がる。
第五試合 伊藤力選手対田中俊祐選手、伊藤選手の回し蹴りが冴える試合展開で、田中選手も技を決めるたび、応援席も大いに沸いた。
試合の中では、身体能力だけではなく、相手に合わせてタイミングを計ることも重要と感じた。タイミングが合わず、終始一方的な展開となり優劣がはっきりと見える試合もある。
第六試合では、開始早々、工藤選手の一方的な蹴りの連続で34秒で試合終了。ギャラリーも圧巻の試合であった。

試合終了後、それぞれの階級で優勝した、工藤俊介選手、伊藤力選手、太田渉子選手に話を伺うことができた。
工藤選手
「本大会では予想より試合が早く終わってしまい、自分の持ち味を出せなかったと感じています。ただ一方で、昨年も優勝をしたので連覇を死守できたと感じています。
世界選手権では世界ランキング1位の選手を倒すことができ、東京パラに向けてはずみがついたものの、結果は銅メダルで悔しい思いをしたので、2020年の東京パラリンピックでは金メダルを獲りたいです。2020に向け、1日1日を大切に過ごしていきたいです。」

伊藤選手
「本大会を振り返ってみて、優勝できたことは良かったと率直に感じています。先週の世界選手権では負けてしまったので…。
本大会では、後ろ回し蹴り(ティフリギ)が結構入ったので、練習してきた成果が出せたと感じています。日本と世界の差はまだまだあり、他の選手の底上げもしていきたいです。
今後は今月末にUSオープンがあるので、それに向けて頑張ります。2020年まで、怪我をせず、自分でも勉強して課題克服を行っていきたいです。」

太田選手
「本日はたくさんの方に応援してもらえてよかったと感じています。先日の世界選手権では、自分でも驚くような良い成績を出せ、沢山の方に注目していただけたことも嬉しいですね。今後は相手に合わせ、またタイミングを考えて蹴りを出せるようにしていきたいです。
今回の全日本での優勝は第一歩、今後も競技レベルを上げていきたいです。」

2020年東京まであと1年半、パラテコンドーの普及、強化が急がれる。