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「第8回ハンドサッカーフェスティバル2015」レポート

2015.10.17

2015年10月10日(土)に、東京都障害者総合スポーツセンターと東京都立北特別支援学校で「第8回ハンドサッカーフェスティバル」が開催された。

○ハンドサッカーとは
ハンドサッカーは、障がいも程度も様々な子供たちが一緒に参加できる球技として、特別支援学校の先生たちが考案をしたスポーツだ。
1チーム7人で編成され、サッカー同様に相手ゴールにボールを入れることで得点となる。
コートはバスケットボールコートを一回り小さくしたサイズで、屋内で行われる。
障がいも程度も様々なプレーヤーが一緒にプレーを行うため、ルールには工夫されている点が多い。

○ルールとプレーヤーのポジション
①ボール保持時間
フィールドプレイヤーは障がいの度合いにより5秒もしくは10秒のボール保持時間が決められており、その制限時間内しかボールを保持し続けることはできない。
②ボールキャッチとボールタッチ
上肢の麻痺などでボールをキャッチすることが困難な選手は、ボールが身体や車椅子などに触れた場合でもボール保持として認められる。保持時間とキャッチ有無の適用はそれぞれのチームで決定する。
③得点
ハンドサッカーでは、メインとなるゴール(メインゴール)に加えて、サイズの小さいサブゴールが設置されており、ポジションによりシュートをするゴールが変わる。
メインゴールにシュートを決めた場合は3点、サブゴールに得点を決めた場合は1点が入る。
④ポジション
選手は障害の状態に合わせて3つのポジションとGKに分けられる。ポジションにより人数が定められている。
(1)フィールドプレイヤー(FP)・・4名
コート上を自由に動きまわることができ、比較的機能障害が少ない選手が対象。
障がい程度により、ボール保持時間が定められている。
(2)スペシャルシューター(SS)・・1名
コート上を自由に動きまわることができるが、比較的機能障害が重度の選手が対象。スペシャルシューターエリアに入ることで、GKのいない状態で2投のサブゴールへのシュートの権利が得られる。
(3)ポイントゲッター(PG)・・1名
ポイントゲッターエリアに位置し、他の選手からのパスを受けたときに1点が加算され、さらにGKがいない状態でメインゴールへシュートをする権利を得る。シュートが入れば1点が加算される。
(4)ゴールキーパー(GK)・・1名
ゴールキーパーはゴールエリアに入ることのできる唯一のプレーヤーで、コート上に出て行くことも可能。
○選手の課題
SSとPGがシュートをする際は、それぞれに課題が与えられる。課題はボールを投げる位置からゴールまでの距離と投げる動作にかける時間だ。SSとPGのポジションは、日常的に介助が必要な重度障がいのプレーヤーが多いため、「ボールを意図したところに投げる」という動作自体が難しい。ゴールまでの距離を長くしたり、動作の時間を制限することで更に難しさは増す。
個々の課題のレベル決定はそれぞれのチームに一任されている。確実に得点を取るなら課題のレベルを下げようとするのが心情だが決してそのようなことはなく、しっかりとプレーヤーに合った課題が設定されており、ゴール決定率はそう高くはない。
試合球はソフトバレーボールを使用しているが、SSとPGがシュートをする際は、自分に適したボールを用意することができる。テニスボール、ソフトボール、ゴムボールなど様々な大きさと素材の物をプレーヤーたちは使用している。
○大会
参加チームは東京都内のクラブ8チームで、競技はトーナメント戦で行われた。
試合前に両チームが向かい合って挨拶を行う際に、審判から選手のポジションとボール保持時間が確認される。
審判はパスが選手に渡るごとにボール保持秒数を口頭でカウントする。接触などで怪我をしないようルーズボールになった時は速やかにゲームを止め、最後にボールを触ったプレーヤーに審判がボールをわたして、ゲームは再開される。安全にも配慮しゲームを進める。
メインゴール以外に的となる選手が2名いるため、合計3箇所に対しての攻撃と守備を意識しなければならない。
決勝戦のWING SOUL対AKiruno Yellow Birdsは、攻守が頻繁に入れ替わるスピーディーな展開となった。選手のワンプレーワンシュートにも緊張感が高まる。WING SOULがメインゴールへの得点を含み確実に得点を重ね点差を広げていく。それに対しAKiruno Yellow BirdsもGKのファインセーブからカウンターで得点をあげ反撃を狙う。しかし直後にWING SOULがまたもメインゴールへシュートを決めて引き離すとその後も攻撃の手をゆるめることなく、19-4でWING SOUL勝利した。

SSやSGは無人のゴールに向かってボールを投げる(蹴ったり、押し出すこともある)のだが、一見個人プレーには見えるものの、シュートに持ち込むまでのプロセスにはしっかりとチームワークがある。だからこそ、シューターはチームメイトの思いを感じながら一投一投緊張感をもってシュートをする。
課題をそれぞれが達成しゴールを決めること、チームで協力してパスを繋ぎ得点に結びつけること、声がけや作戦会議など、ハンドサッカーというスポーツの中には日常生活だけでは得られないコミュニケーションの要素がたくさん詰まっている。
○結果
優勝 WING SOUL
準優勝 AKiruno Yellow Birds
第3位 EDGW-V

日本ハンドサッカー協会