TOP競技レポート記事一覧 > 競技レポート詳細

「パートナーと最高の美しさを」全国障がい者馬術大会レポート

2015.10.24

2015年10月16日(金)~10月18日(日)に兵庫県三木市の三木ホースランドパークで「第23回全国障がい者馬術大会」が開催された。

大会は障害を飛び越える「飛越競技」ではなく、四角い馬場の中で決められた場所と順序に従って馬をいかに正格に、エレガントに操作するかを競う「ドレッサージュ」と呼ばれる競技で行われる。
馬場は白い柵で囲まれており、白い柵の外にはアルファベットの文字が書かれたポイントが設置してある。
スタートの合図のである鐘が鳴らされると演技スタート。フォーマルフェアに身を包んだ演者が馬場に入場し、審判員と向かい合って一礼をする。
選手と馬は規定の運動課目に沿って歩行やステップをしながら縦、斜め、弧を描きながら進んでいく。
審査は運動課目の評価だけでなく、選手と馬の調和や馬の推進気勢も評価対象となる。
参加者は肢体不自由、視覚障がい、知的障がいなど約90名。馬術は人と馬が1対1であるのが基本だが、今大会では障がいの程度により馬を誘導するサポートが入ることもあった。
視覚障がいの選手は誘導係が選手と馬をスタート位置まで誘導し、アルファベットのポイントそれぞれに一人ずつ声出しのスタッフが配置される。
運動課目の流れに沿って各アルファベットのポイントにいるスタッフによってコールされ、それと同調して選手と馬は演技を行う。誘導はスタート位置までで、演技はアイマスクをした選手と馬だけで行われる。正格な動きはまるで見えているかのようだ。
人に正格があるように馬にも性格があり、容姿もそれぞれ異なる。競技会では選手の表現、馬の表現、人馬一体の表現を見ることができる。
選手全員が自分の馬を所有しているわけではなく、所属クラブのメンバー数人が同じ馬に騎乗して演技を行うこともある。しかし、人馬の組み合わせが異なることで雰囲気はがらりと変わり、演技にはそれぞれの個性が現れる。
会場の独特な緊張感の中で行われる選手と馬の優雅な演技はとても格好良い。
大会期間中にはアトラクションとしてホースショーやウエスタンカドリールショーが行われ、選手も観客も楽しめる大会であった。
パラリンピックでも行われている馬術。日本でもパラリンピックや世界選手権に選手を何名も輩出している。
馬とのコミュニケーションから始まる競技は一般のスポーツとは異なる技術を要する。勝ち負け以上の人馬一体となった美しいパフォーマンスを会場では見ることができる。

日本障害者乗馬協会