「白球に込めた情熱」第17回全日本身体障害者野球選手権大会 レポート

2015.11.06

新大阪から特急「こうのとり」に乗り込み2時間30分、そこからタクシーで20分。
兵庫県豊岡市にある但馬ドームで10月31日~11月1日に「第17回全日本身体障害者野球選手権大会」が開催された。
クラブハウスにはプロ野球界の名だたる選手やコーチ、大リーガーやタレントも訪れていることを伺わせるサイン色紙がズラリと飾られている。
どんな球場なのだろうか???
なるほど。
全天候型ドーム、ヒーター式観戦シート、照明も明るく、手入れの整ったグランドコンデション。元球児の心をくすぐる素晴らしい球場だ。

大会を主催するのは日本身体障害者野球連盟と会場となっている兵庫県立但馬ドーム。
各地域で行われた予選を勝ち抜いた7チームが参加し、トーナメントで日本一を決定する。
基本的には通常の野球のルールに準じてゲームは行われるが、一部特別ルールを採用している。
○特別ルールの一例
・バント、ふり逃げは適用されない
・下肢障害者で走塁が困難と認められる選手の打席には打者代走を認める
・盗塁は認められない。ただし、タッチアップは認められる
・パスボールやワイルドピッチの場合、ボールが捕手のミットまたは身体に触れた時点でボールデッドとする。触れない時、走者は進塁してもよいが、最大でも次塁までとする

選手は障がいの状態により補助具を使用する。座った姿勢を保つことが難しいキャッチャーは椅子に座ってミットを構え、バットを振る時に体のバランスを崩しやすい選手は松葉杖で体を支えてバッティングを行う。工夫をすることで、様々なプレーが可能になるのだ。

日本全国から集まったチャレンジドベースボールプレイヤーは、ときに代走を立ててバッターボックスに立ち、ときに捕球と送球を素早いグローブチェンジで行うという美技をみせる。かつてメジャーリーグで活躍した名プレーヤー「ジム・アボット」(先天性右手欠損)を彷彿させるプレーに鳥肌が立った。

この大会では身体障がいだけでなく知的障がいの選手も1名出場することができる。
障がいの種類に関係なく共に野球を楽しむという考え方に、野球に対する熱い想いを感じる。
大会は、地元兵庫県の神戸コスモスが優勝し、大会9連覇を飾った。
会場では地元の方達が「応援隊」としてボランティアで集まり、選手と来場者に無料で地元の野菜を使った豚汁をふるまっていた。
野球を愛する情熱と温かい心がこの大会を支えているのだ。

身体障害者野球は毎年5月に春の選抜大会が、11月に秋の選手権大会が開催されている。
2014年には第3回世界身体障害者野球大会が日本で開催され、日本はアメリカに続き第2位の成績をおさめている。選手の熱闘とハイレベルな日本の野球にもぜひ注目してほしい。
○大会結果
優 勝 神戸コスモス(兵庫県)
準優勝 群馬アトム(群馬県)

日本身体障害者野球連盟